2014年08月31日

Yさんの死

今朝早くYさんが亡くなられました。81歳でした。
 Yさんは昨年10月に重い腎不全で熊本市内の病院に入院され、人工透析を始められました。しかし肝硬変があったYさんは出血傾向が強く、透析もたびたびトラブルを起こしました。「このままでは病院で亡くなってしまう。自分はずっと前からクリニックに診てもらいながら最期は自分の家で迎えると決めている。」と退院することを決められました。「今、透析を止めて家に帰るのはあまりに無謀です。」と主治医はYさんを説得しましたがYさんの決意は変わりませんでした。
 「余命は10日です。どんなに頑張っても正月を迎えることはできないと思います。」 「自分も家族も十分覚悟しています。」Yさんは昨年の11月21日に家に帰られました。
 「やっぱり家が一番です。こんなにゆったりと思うように一日いちにちを過ごすことができます。」Yさんはいつも奥さんと近くに住む娘さん家族に見守られながら穏やかな日々を過ごされました。訪問診療するといつも包み込むような温かい笑顔で迎えてくれました。正月も退院された時よりむしろ元気といっていいくらい充実して過ごされました。
 Yさんは「生き活き夢くらぶ」という秋津レークタウン地域の健康と福祉の町作りを進める組織の代表を、夢くらぶが発足して以来続けて来られました。今年5月の夢くらぶ総会には娘さんに付き添われ出席され、挨拶をされました。いつも前向きで誠実なYさんの挨拶に僕を含めて参加者が心打たれました。
7月になってからは食欲低下が目立つようになり、8月になるとほんのわずかの食事と水分しかとれなくなり、体調は悪化していきました。それでも少しも弱音も不安も訴えられることはありませんでした。「自分は痛みには人一倍弱いので痛みはしっかり取って下さい。」と退院のときには言われたのですが、その痛みも全く言われませんでした。
 昨日、「明日、また来ますね。」とYさんの手を握るとしっかりうなずかれ力強く手を握り返されました。そして今朝早く、奥さんや娘さん、お孫さんたちに見守られながら苦しむことなく静かに息を引き取られました。1ヶ月持つのは難しいだろう、と言われたYさんは9ヶ月あまり自宅で幸せな時を過ごされました。
 今日行われた通夜には芯が強く真っ直ぐで、それでいてとても温かいYさんに別れを告げようと大勢の参加者がありました。
posted by Tぼらん at 22:12| Comment(0) | クリニックのブログ

2014年08月13日

お盆休みになりますが・・

 先月、神戸学会「在宅ホスピス研究会」に参加しました。
たくさんの感動とこれからのクリニックが目指すことの1つとして印象に残った言葉を筆文字にしてみました。
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「平穏死」・・愛する人と穏やかな場所で最期を過ごす。そこが家であれ、施設であれ、それが日常になる社会にと、これから皆さんと共に考えていけるクリニック。

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 今日も施設での看取りがありました。毎日暑い中の訪問診療ですが、とても充実しています。