2015年06月18日

Sちゃん頑張ったね。安らかに眠ってください。

Sちゃんは一昨日1歳5ヶ月の短い命を閉じました。18トリソミーという重い障害を持って生まれ、懸命に精一杯生きてきました。18トリソミーに伴う、心室中隔欠損症と動脈管開存症という重い心臓病からの心不全による死亡でした。先週から少し体調を壊し前日は鼻づまりがひどくなっていました。一昨日、市民病院を救急受診したのですが、心不全がひどく打つ手がありませんでした。お母さんは「家に帰りたい」とSちゃんを連れて帰られました。帰って直ぐに診察をしたのですが、市民病院の医師の言うとおり呼吸が浅くチアノーゼが見られました。酸素を投与してもチアノーゼの改善はなくそのまま呼吸が止まり亡くなりました。
 1歳5ヶ月というあまりに短い命でしたが、とても濃密で凝縮した一生だったと思っています。お父さん、お母さんの溢れる愛情を受けてとても幸せだったと思います。
 クリニックにはSちゃんの1歳の誕生日の写真があります。少しはにかみながらの笑顔です。1歳の誕生日を迎えても体重は2,000gを超えるか超えないかでした。心不全が悪化しないように体重増加は厳しく制限されていました。インフルエンザや麻疹、風疹ワクチンの予防接種をしたのですが、皮下注射なのに皮下組織がほとんどありません。Sちゃんは痛がって、か細いけど精一杯の大声で泣きました。「痛いことをしてごめんね。でもSちゃんにインフルエンザや麻疹、風疹にかからずに大きくなって欲しいのでどうしても打たないといけない注射なんだよ。」
 熊本市民病院のNICUではこれまで25名の18トリソミーの患者さんを診てきました。でもこれまで1歳を迎えた子どもはいませんでした。Sちゃんが初めて1歳の誕生日を迎え1歳5ヶ月間生きてくれたのです。必死に懸命に生きるSちゃん。それを溢れる愛情でお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが支えてきたからできたことだと思います。1歳を過ぎても体重は増えなかったけど表情はしっかりとして凛々しくなっていました。Sちゃんは今年の2月にお姉ちゃんになりました。お姉ちゃんらしさが漂うようになってきたのだと思います。
 1歳5ヶ月とあまりに短い一生だったけどSちゃんは誰にも負けない深い愛情を受け、一生懸命生きた頑張りも誰にも負けていません。そしてSちゃんが残してくれた懸命に生きる姿とはにかみながらの笑顔はお父さんやお母さんにもかけがえのない思い出として残っていくだろうと思っています。僕や看護師にも深く大切な思い出として残っていきます。
 Sちゃん、もっともっと生きたかったのに支えることができなくて本当にごめんね。僕がSちゃんと付き合ったのは1年2ヶ月だけどSちゃんのことは決して忘れません。精一杯生きることの大切さと一人の人間としてのかけがえのない尊厳を教えてもらいました。Sちゃんを診ることができて幸せでした。本当にありがとう。
 ゆっくりと安らかに眠って下さい、Sちゃん。
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posted by Tぼらん at 22:30| Comment(0) | クリニックのブログ

新しくなりました!

先月新しい超音波(エコー)の機械を購入しました。今まで15年間頑張ってくれたエコーさんには感謝の気持ちでお別れをし、これから外来診療ではもちろん、在宅でも活躍できる携帯型のエコーも仲間入りしました。
これからの活躍を期待したいと思います。院長もやる気満々です(笑)写真コラージュメーカー_BlXOyp.png